後輩とのひさしぶりの再会。 | 知らんがな。

後輩とのひさしぶりの再会。


週末、学生時代の後輩と会った。

ひさしぶりの再会で、思い出話に花を咲かせていた。

彼は、一つ下で僕が高校1年、彼が中学3年のときからの
付き合いである。

ほどよく、酔った彼が言った。

「覚えてます?僕の大学受験のときの話。」

「?」
「なんだっけ?」

「あれですよ。僕が関大(関西大学)第一志望で、
すべって、滑り止めの近大(近畿大学)に決まって
泣いていわたさんに電話したときのことですよ。」

あ、思い出した。

彼(横ちゃん)は、関大に行きたくて
受験勉強を一生懸命やっていた。
予備校にも通って。

そして、先に滑り止めの近大は合格して
第一志望の関大を受けた。

いくつかの学部を受け、発表があった。

発表は電話でも聞けるらしい。

いくつかの学部の発表を電話で聞いたが
結果は不合格だった。

そして、最後の発表のとき
そこの学部は一番自信があったらしく
家族全員でスピーカー通話で聞いたらしい。

結果は、不合格だった。

僕は、このシュチュエーションを想像したら、ちょっと笑えた。

だが、彼は落ち込んだ。

とてもとても落ち込み、その日に僕に電話をくれた。

「いわたさん、僕落ちました。。。」

彼は受話器のむこうで、泣きじゃくった。

悔しいっす。悔しいっす。と何度も繰り返し、
家族にも申し訳ないっすと泣いていた。

僕は、なんとか彼を勇気づけたいと思い
言葉を考えた。

「横ちゃん。泣くな。
近大でもええやんけ。すごいやんけ。」

「そんなことないっす。関大いきたかったっす。」

「あほか!。だって考えてみろ。」

「東京で一番偉い大学どこやねん。」

「え? 東大っす。」

「大阪で一番偉いんわ?」

「阪大っす。」

「そやろ。ほんなら、俺らのおる近畿で一番偉いんわ?」

「・・・・・。近大っす。」

「そやろ。すごいやんけ。
関大は、関西。近大は近畿やんけ。
近大のほうが、でかいやんけ。」

「・・・・・。いや、そういうことじゃないと思うんすけど。」

「あほか。そういうことじゃ。」

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彼は、そのときのことを振り返り、
やっぱり、あのときの僕のコメントは
意味がわからなかったと。

慰めでもなんでもなかったと。
きっぱりと言われた。

失礼な後輩である。

中学から大学まで、エスカレーターであがった僕の
考え抜いた最大限の言葉だったのに。